パナソニック株式会社くらしアプライアンス社は、日本大学工学部 電気電子工学科の村山嘉延准教授と共同で、就寝中の腹部周辺衣服内温度を計測することで女性の月経リズムを把握できる新技術を開発したことを発表しました。この技術は、ウェアラブルデバイスの原理モデルとして開発され、女性の月経リズム把握の習慣化をサポートすることを目的としています。
近年、女性特有の健康課題への関心が高まっています。女性特有のバイオリズムとして排卵と月経からなる月経リズムは、心身の状態に大きな影響を与えるとされています。従来、月経リズムの把握には婦人体温計による基礎体温計測が一般的でしたが、多くの女性にとって習慣化が難しいという課題がありました。
そこでパナソニックは就寝中の衣服内温度に着目。新技術を用いれば月経リズムに連動する低温期と高温期の二相性パターンを観察することができます。さらに、衣服内温度と基礎体温との間で高温期移行日に差がないことも確認されました。
村山准教授は生殖医療領域における生体データ解析の専門家であり、腹部の衣服内温度に関する研究も行っています。この専門知識を活かした共同研究により、月経リズムと衣服内温度の関連性が実証されました。
パナソニックは今後、月経を中心とした女性にとって重要な心身のバロメーターについてさらなる研究を行う予定とのこと。最終的には、女性の生活習慣やQOL(生活の質)向上を目指した製品やサービスの開発につなげていく方針です。