仕事・家事に影響している女性が54%も!更年期症状アンケート調査

更年期症状の種類と頻度、日常生活への影響、仕事・家事との両立、医療機関受診とセルフケアの選択、症状の継続期間など、アンケート調査から見えた更年期女性の実態と対処法をくわしく解説

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更年期症状アンケート調査サマリ
  • 更年期症状アンケート調査サマリ
  • 更年期症状アンケート回答者属性

女性によりそい、フェムテック・フェムケア情報を発信するメデイア「FEMTECH LAB」では、更年期症状の実態を把握し、より良いケアにつなげるため、アンケート調査を実施しました。

更年期症状とは、閉経前後の約10年間(一般に45~55歳)に女性ホルモンの減少により現れるさまざまな症状のこと。ホットフラッシュ、疲労感、イライラ、睡眠障害など症状は多岐にわたり、個人差が大きいことが特徴です。

今回の調査では、こうした症状に悩む女性350人のうち54%が仕事・家事に影響があると回答。一方で、医療機関を受信した人は20.9%にとどまり、セルフケアによる対処が中心になっていることがわかりました。

本調査では、症状の種類や頻度、対処法などをくわしく分析し、更年期女性の現状をデータで可視化します。

【調査概要】

  • 調査名:更年期症状にお悩みの女性の実態調査

  • 実施期間:2025年6月9日~2025年6月10日

  • 調査方法:インターネット調査

  • 調査対象:更年期症状を自覚している40代以上の女性

  • 有効回答数:350名

  • 実施主体:FEMTECH LAB


サマリ

今回の調査から、更年期症状に悩んでいる女性が直面している深刻な実態が明らかになりました。

【主要な調査結果】

  • 54% が仕事・家事に影響ありと回答

  • 約7割(69%) が週3回以上症状を経験

  • 約半数(48%) が3年以上症状が継続

  • 1人あたり平均4.3個 の症状を同時に抱える

  • 医療機関を受診している人は わずか21%

【症状の実態】

もっとも多い症状は「疲労感・だるさ」57%で、次いで「肩こり・腰痛」51%、「イライラ・怒りっぽさ」「睡眠障害」「頭痛・めまい」各49%と続きます。これらの症状が複合的に現れることで、日常生活への影響がより深刻化しています。

【対処法の現状】

症状への対処法は「運動・生活習慣の改善」33%がトップですが、「特に対処していない」も30%に上ります。セルフケアが中心で、専門的な医療につながっていない実態が浮き彫りになりました。

【情報ニーズ】

71%が「症状への対処法」の情報を求めているにもかかわらず、医療機関から情報を得ている人は25%にとどまり、多くの女性がネット検索47%や友人・知人46%からの情報に頼っています。

本調査結果の詳細について、以下、項目ごとにくわしく解説していきます。

調査回答者の属性

今回の調査に回答したのは、更年期症状を自覚している40歳以上の女性350人。年齢構成は40~44歳が32%、45~49歳が31%と、40代が全体の6割以上を占めました。50~54歳は22%、55歳以上は15%となっています。

就業状況については、フルタイム勤務が36%でもっとも多く、次いで働いていない人が33%、パートタイム勤務が31%とほぼ均等に分かれました。働く女性と専業主婦層の両方から、幅広く回答を得ることができました。
※以下、小数点以下は四捨五入

多くの女性が複数の症状に悩む!更年期症状の実態

更年期症状として現れているものを複数回答で尋ねたところ 、「疲労感・だるさ」が57%でトップ。次いで「肩こり・腰痛」「イライラ・怒りっぽさ」「睡眠障害」「頭痛・めまい」がいずれも約半数となりました。

「ホットフラッシュ・のぼせ・ほてり」(47%)も含めると、多くの女性が複数の症状を同時に抱えていることがわかります。

一人あたり平均4.3個 と、複数の身体的・精神的な不調が重なることで、日常生活により大きな影響を与えていると考えられます。

症状

割合

疲労感・だるさ

57%

肩こり・腰痛

51%

イライラ・怒りっぽさ

49%

睡眠障害(寝つきの悪さ・夜中に目覚める)

49%

頭痛・めまい

49%

ホットフラッシュ・のぼせ・ほてり

47%

集中力の低下・物忘れ

33%

憂うつ感・気分の落ち込み

32%

月経不順・生理の変化

31%

夜間の発汗・寝汗

19%

その他

9%

回答総数

1,495

実際、もっともつらい症状を尋ねたところ、仕事や日常に影響を及ぼしている切実な声が寄せられました。

「疲労感。シフト制で働いているので、休みが連休でないことが多く、一日の休みで疲れが全く取れなくて困っています」(50~54歳女性)

「肩こり。仕事がら手先を使う仕事が多く、肩こりからのめまいがここ数年ひどい。眼精疲労も感じることが多くなった。」(40~44歳女性)

「ホットフラッシュが1番つらいです。イライラはなんとか隠せるけど、ホットフラッシュは隠せないのがつらいです」 (40~44歳女性)

更年期症状は、頭痛や肩こりなど、1個1個の症状はほかの原因でも起きることがあり、また人によって症状が異なるため、「これが更年期なのか」と判断に迷う女性も少なくありません。

そこで、「これって更年期症状かも」と気づいた時期やきっかけを尋ねたところ、多くの女性が複数の症状の組み合わせや、症状の継続性から更年期を疑い始めたことがわかりました。

「前よりも寝つきが悪くなり、疲れているのに夜中に何度も目が覚めてしまうことが続き、気づきました。同じ頃、生理周期がバラバラになってきて、期間も短くなったり、少量がダラダラ続くようになり、更年期だと自覚しました」(40~44歳女性)

「仕事場や姉から何となく症状を聞いていて、40代後半くらいから、疲労感やだるさがとれなくて、ホットフラッシュが出るようになったりひどい肩こりが続いて更年期かもと思いました」(50~54歳女性)

「数年前に、気分が悪いとかお腹が痛いとかの症状は全くなく、何の前触れもなく顔がカッと暑くなり汗が出始めました。当時は、汗が流れるほど出てきましたし、閉経もしてるかもという時期だったので、更年期かなと思いました」(55歳以上女性)

仕事・家事の効率低下が54%!日常生活に深刻な影響

更年期症状による日常生活への支障度については 、「なんらかの支障がある」とした回答者が9割以上を占めました。内訳は「軽度の支障」が約3分の2、「中程度の支障」が約4分の1となっています。

更年期症状が影響する場面は、「仕事・家事」がもっとも多く54% 。続いて「睡眠の質」(約36%)となりました。仕事や家事といった日常的なタスクに支障をきたすことで、生活の質(QOL)が大きく低下している実態が浮き彫りになりました。

生活への支障具合(複数回答)

支障具合

割合

軽度の支障

80%

中程度の支障

31%

支障なし

7%

重度の支障

2%

回答総数

418

影響する場面

影響する場面

割合

仕事・家事

54%

睡眠の質

36%

外出・社会活動

14%

家族・友人関係

10%

特に影響なし

3%

外出・社会活動

3%

回答総数

418

こうした更年期症状の頻度と継続期間はどうでしょうか。症状の頻度については、「ほぼ毎日」が約36%、「週に3~4回」が約33%で、合わせて約7割が週3回以上更年期症状を経験しています。

さらに深刻なのは症状の継続期間です。「3~5年」が約3割、「5年以上」が約17%と、約半数が3年以上更年期症状と付き合っていることが判明。

更年期症状は一時的なものではなく、長期間にわたって女性の生活に影響を与え続けています。

症状の頻度

症状の頻度

割合

ほぼ毎日

44%

週に3~4回

33%

月に数回

22%

週に1~2回

18%

月に数回

3%

回答総数

418

更年期症状の経過年

経過年

割合

1~2年

44%

3~5年

31%

1年未満

26%

5年以上

17%

終了した

2%

回答総数

418

医療機関受診はわずか2割!更年期症状への対処方法

更年期症状への対処方法 について複数回答で尋ねたところ、もっとも多かったのは「運動・生活習慣の改善」(約33%)で、次いで「特に対処していない」(30%)となりました。

注目すべきは、「医療機関で受診・治療」はわずか約2割にとどまっている点です。「市販薬(頭痛薬・漢方薬など)」(約26%)、「サプリメント・ハーブティー」(約2割)など、セルフケアで対処している人が多く、専門的な医療を受けている人は少数派であることがわかりました。

更年期症状への対処方法(複数回答)

更年期症状への対処方法

割合

運動・生活習慣の改善

33%

特に対処していない

30%

市販薬(頭痛薬・漢方薬など)

26%

医療機関で受診・治療

21%

サプリメント・ハーブティー

19%

回答総数

453

さらに、更年期症状について相談できる人がいるか を複数回答で尋ねたところ、「家族・パートナー」や「友人・知人」を挙げる人が多い一方、「誰にも相談していない」という回答も一定数見られました。更年期症状を「恥ずかしい」「仕方ない」と考え、一人で抱え込んでいる女性の存在が考えられます。

更年期症状について相談できる相手がいるか(複数回答)

相談できる相手

割合

家族・パートナー

53%

友人・知人

41%

医師・医療従事者

26%

誰にも相談していない

21%

回答総数

494

更年期女性が本当に必要としている情報とケア

更年期に入る前に「どのような情報がほしい(ほしかった)か」 を複数回答で尋ねた結果、もっとも多かったのは「主な更年期症状に対する対処法」で71%。次いで「主な更年期症状の内容や程度」(56%)、「医療機関を受診する目安」(37%)となりました。

多くの女性が、症状への具体的な対処法を求めており、「どうすれば楽になるのか」という実践的な情報へのニーズが高いことがわかります。また、3人に1人以上が「医療機関を受診する目安」を求めていることから、どの程度の症状なら受診すべきか判断に迷っている様子もうかがえます。

更年期に入る前にどのような情報がほしい(ほしかったか)(複数回答)

知りたい(知りたかった)情報

割合

主な更年期症状に対する対処法

71%

主な更年期症状の内容や程度

56%

医療機関(婦人科等)を受診する目安

37%

漢方薬・サプリメントの選び方

35%

更年期世代の体験談

30%

更年期症状について相談できる先

25%

受診すべき診療科の情報

21%

仕事との両立方法

19%

医療機関(婦人科等)での自身の症状の伝え方

13%

ホルモン補充療法(HRT)について

12%

医療機関(婦人科等)の特色や評判・口コミ等の情報

12%

医療機関(婦人科等)の診察内容(問診、触診、内診等)や受診にかかる費用

11%

更年期症状について家族、職場等への伝え方

8%

男性更年期について(パートナーのため)

4%

特にない

1%

その他

1%

回答総数

1247

ほしい情報と実際の情報源にギャップ

一方、更年期症状についての現在の情報源を尋ねたところ、「ネット検索」(47%)と「友人・知人」(46%)がほぼ同率でトップ。

ここで注目すべきは、71%が「対処法」を求めているのに、専門的な医療機関から情報を得ているのはわずか25%というギャップです。

多くの女性がネット検索や口コミに頼らざるを得ない状況で、信頼できる医療情報へのアクセスが不足していることがわかります。

更年期症状に関する情報源(複数回答)

情報源

割合

ネット検索

47%

友人・知人

46%

医療機関(婦人科・内科など)

25%

家族

23%

テレビ番組

16%

SNSやYouTube

15%

雑誌・書籍

11%

薬局・ドラッグストア

9%

特に情報収集していない

8%

配偶者・パートナー

8%

その他

1%

職場の産業医・保健師

1%

セミナー・講演会

0%

回答総数

733

まとめ

今回の調査では、更年期症状を自覚している女性350人から貴重な声を集めることができました。

調査で明らかになったのは、多くの女性がさまざまな症状と向き合いながら、自分なりの方法で日々を過ごしている姿です。46%が仕事・家事への影響を感じつつも、運動・生活習慣の改善33%、市販薬の活用26%、医療機関での治療21%など、それぞれが工夫を重ねています。

特に印象的だったのは、情報への強いニーズです。71%が「症状への対処法」をもっと知りたいと回答し、「医療機関を受診する目安」37%や「漢方薬・サプリメントの選び方」35%、「更年期世代の体験談」30%など、実践的な情報を求めていることがわかりました。

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FEMTECH LAB そごう横浜店
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【調査データの引用について】

本調査結果は、更年期女性への理解促進のため、積極的にご活用いただけます。引用にあたっては、出典として以下のリンクを設定してください。

FEMTECH LAB『仕事・家事に影響している女性が54%も!更年期症状アンケート調査』
https://media.femtechlab-online.com/article/2025/06/30/107.html


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《FEMTECH LAB編集部》

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