(株)エムティーアイが運営する、すべての女性の一生に寄り添うウィメンズヘルスケアサービス「ルナルナ」では、定期的にさまざまな意識調査を行い「ルナルナ通信」として発信。Vol.66では、女性の健康教育と予防医療の推進活動を行う一般社団法人シンクパールと2016年より毎年共同で実施している、「子宮頸がんとヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンに関する意識・実態調査2025」の結果をお届けしています。
今回の意識調査では、2,611名の方にアンケートを実施。2016年の調査開始当初と比較して、子宮頸がんの原因や予防方法について知っている(理解している)と回答した人が2~3割増加し、子宮頸がんに関する理解が深まっていることがわかりました。
子宮頸がんは、早期発見・治療により比較的治癒しやすいがんとされているため、20歳以上の女性は2年に1回、定期的に子宮頸がん検診を受けることが推奨されています(参考:厚生労働省「HPVワクチンに関するQ&A」)。

続いて、子宮頸がんの原因であるHPVについて「HPVがどのようなウイルスか知っていますか」と聞いたところ、「知っている」「なんとなく知っている」を合わせて43.5%という結果に。半数以上の人がHPVについてあまり理解していないと言えるでしょう。
HPVは、性的接触のある女性であれば50%以上が生涯で一度は感染するとされている一般的なウイルス(参考:厚生労働省「ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~」)です。多くの場合ウイルスは自然に排除されるものの、一部の人では排除されず、数年から数十年にわたって持続的に感染すると、子宮頸がんの前がん病変(がんになる手前の状態)や子宮頸がんになることがあります(参考:厚生労働省「HPVワクチンについて知ってください~あなたと関係のある“がん”があります~」)。

子宮頸がんの予防方法のひとつとして、HPV感染を予防する効果のある「HPVワクチン」の接種が挙げられます。現在、小学校6年生から高校1年生相当の女性はHPVワクチンを公費で接種することが可能です。
HPVワクチンについては、接種の積極的勧奨が差し控えられていた期間(参考:厚生労働省「HPVワクチンの接種を逃した方に接種の機会をご提供します」)があり、定期接種の対象者がワクチン接種の機会を逃している状況がありました。そうした人を対象(対象者は①1997年4月2日から2009年4月1日までに生まれた女性であること、②過去にHPVワクチンの接種を合計3回受けていないこと、2つの条件を満たす人)に改めて公費で接種できる「キャッチアップ接種」が実施されていますが、「知っている」「なんとなく知っている」と答えた人は合わせて50.7%となりました。
最後に、HPVワクチンを接種したいか聞いたところ、「すでに接種した」は26.2%、「接種したい・接種する予定がある」が5.6%、「どちらかというと接種したい」は11.5%、「接種を迷っている」が9.3%、「できれば接種したくない」が5.5%、「接種する予定はない」が42.0%でした。

「すでに接種した」人の接種理由として多かったのは「家族から接種を勧められて」の50.1%で、「自治体からのお知らせをみて」が31.8%で続きます。
また「接種を迷っている」と回答した人の理由としては、「接種後の副反応が心配だから」が68.9%で最多、「接種の効果効用がわからないから」が34.9%、「信頼できる情報がないから」が34.0%という結果になりました。「できれば接種したくない」「接種する予定はない」と回答した人についても同様の理由が上位に挙げられており不安を感じている人が多いことがわかります。

HPVワクチンの接種後には、50%以上の確率で接種部位に痛みを感じると報告されています。また、腫れや赤みといった症状のほか、ごくまれに重いアレルギー症状が生じる場合があることもわかっています。
一方で、ワクチン接種が子宮頸がんの原因の50~90%(ワクチンの種類により変動)を防ぐこともわかっており、ワクチン接種は自己判断だからこそ、信頼できる医師への相談や公的機関が出す情報収集などを通して多角的に情報を取り入れることが重要だと言えるでしょう。
参考:パピア商品ページ(FEMTECH LAB)